2021/10/13

コロナ禍で増えている「在籍型出向」って何!?派遣と何が違う?

在籍型出向とは、出向元企業と出向先企業との間の出向契約によって、労働者が出向元企業と出向先企業の両方と雇用契約を結び、一定期間継続して勤務することをいいます。

労働者供給とは、供給契約に基づいて労働者を他人の指揮命令を受けて労働に従事させるもの(労働者派遣に該当するものを除く。)をいい、労働者供給を「業として行う」ことは、職業安定法第44条により禁止されています。

在籍型出向の形態は、労働者供給に該当するものですが、下記のいずれかの目的があるものについては、基本的に、「業として行う」ものではないと判断されます。
①労働者を離職させるのではなく、関係会社において雇用機会を確保する。
②経営指導、技術指導を実施する。
③職業能力開発の一環として行う。
④企業グループ内の人事交流の一環として行う。

例えば、新型コロナウイルス感染症の影響等を受け、事業の一時的な縮小等を行う事業主が、人手不足等の事業主との間で在籍型出向を活用して労働者の雇用維持を図るために行う取組みについては、基本的には、上記①に類するものとして、「業として行う」ものではないと考えられます。

ただし、当初から出向させることを目的として雇い入れて出向を命じたり、コロナの影響がなくなった後に新たに出向を命じたりするなど、コロナ禍の雇用維持の目的と考えられる範囲を超えることのないよう、注意が必要です。